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269話

ティファニー

アルティアの執務室の前に来て、私は考えた。本当にこれをするべきだろうか? この扉を開けて何か言えば、ブラックとレッドの間の平和は終わるかもしれない。でも、それでも...私は中から言い争う声を聞いた。

今は適切なタイミングではないのかもしれない?

閉ざされた執務室へ続く廊下はかなり暗かった。ここの照明はステンドグラスの窓からの光だけだったから。窓にはアルティアが姿を変え、燃える街の上を飛んでいる姿が描かれていた...

地上の様子は細部まで描き込まれていた。赤いガラス部分は空を表し、燃える村には叫び苦しむ人間たちが...他にもいろいろな装飾品がここにあったが、それらの細部は私...