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251話

ザイドは右手に私の荷物を、左手に私の手を持っていた。私は彼を信頼していた…別れの挨拶も済ませた。

私たちがテレポートする時、手を振ると、暗灰色の石造りの城の前に立っていた…おそらくオオカミの王宮の二倍ほどの高さで、見た目も全く異なっていた。ゴシック様式で、尖塔の深紅の尖った屋根には、ガーゴイルが並んでいた。各尖塔の頂上には金属の槍が突き出し、様々な種族の敵の像が、静かな苦悩の表情で飾られていた。ここはルーマニア、最初の魔女と吸血鬼の発祥の地だった。

私はこの場所とつながりを感じた…私は闇の魔女だから…魔法が石畳の道を目に見えない水のように流れていた…

「この場所は、まるで時間の中に保存さ...