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17話

カイデン

初めての追跡、何かを大切にしたいと思う時の初めての走り。正直に言えば、身勝手かもしれないが、私はその記憶になりたかった。彼女に何かあった時に冷静でいてほしい。本当に大事な時に彼女のオオカミが彼女を助けられると確信してほしい。私はここにいるし、そんなことは起きないかもしれないが、私の人生は過酷なものだ。彼女は強いルナでなければならない。

今朝は彼女を安らかに眠らせておこう。彼には戻ると言った。彼はまだ息をしている。だから、彼はまだ私のものだ。

「ローグのところへ連れて行け。奴の骨を歯で噛み砕きたい」彼は毒を含んで唸った。私は無視した。もし私が倒れたら彼女のためにそこにいられなくな...