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48話

エマ視点

やってしまった。

彼にキスされるべきじゃなかった。

今、それのことばかり考えてしまう。彼の唇が私の唇に触れたこと、彼の手が私の体に触れたこと、そして彼の匂いが私を包み込んでいたこと。

本当にひどいことをしてしまった。

ベッドに横たわって天井を見つめていた。彼が私の部屋の向かい側で眠っていることが痛いほど意識されていた。彼はもう引っ越してきている。

体中の全ての部分が彼のところへ走りたがっていた。彼の手を感じたかった。首筋に彼の唇を感じたかった。彼の首に牙を沈めて、彼が私のものだと皆に知らせたいと思った。

でも頭の中の声は叫び続けていた。まるで自分のベッドに縛り付けられて...