真のルナ

30話

ローガン視点

私はクソみたいな待合室で座って、白い壁をじっと見つめていた。

こんなに痛みを感じたことはないと思う。

こんなに怒りを感じたこともない。

殺したかった。ロルフとシエナの血を舌の上で味わえるような気がした。奴らは苦しむことになる。

エマがあんな風に殴られて血まみれになって横たわっている姿を見て、あの野郎が彼女に触れているのを見たとき、今までにない怒りの波が押し寄せた。レオンは獣と化した。もはや狼ではなかった。俺が許せば、レオンはロルフとシエナを引き裂くだろう。

「ローガン！」母の慌てた声が俺の思考を引き戻した。

立ち上がって母を抱きしめた。必要だった。すべてが大丈夫にな...