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34話

「アレス視点」

狼の姿になると、いつも無敵の気分になる。まるで足で雲まで旅ができるような気がするんだ。それは最高の感覚のひとつで、特に森を駆け抜けるとき、月の光が僕の上に降り注ぐとき。

でも、今朝早く作った刻印に牙を立てる感覚には敵わない。彼女の治癒力はとても速かったが、僕の牙は鋭かった。バターのように簡単に突き刺さった。三人で吸血鬼のように彼女に噛みついて痛がっていないか顔を見上げたが、彼女の表情は…快感で歪んでいた。

彼女が震え始め、まぶたを閉じ、喉から最も美しい声が漏れるのを見ていた。

その瞬間、それは世界で一番好きな音になった。彼女は快感に身をよじり、座っていた場所からお尻を突...