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186話

二人は私の両手を握り、メイトの絆の火花が私たちの間で激しく燃え上がっていた。この瞬間を記憶に焼き付けたいと思った。今度こそ、この記憶が残ることを願って。

もはや思い出せなくなったことを数えるのはやめ、毎日互いに作る思い出に集中するようにしていた。

しかし、大地が私から全てを奪おうとしているのは明らかだった。

「俺にはできないと思う」アクセルが呻き、私をきつく抱きしめながら震える息を漏らした。

「あなた、泣いているの?」私は驚いて囁いた。

「俺たちが一緒に過ごせた時間はほんの僅かだった。お前はずっと俺たちのために、より良い世界のために犠牲を払ってきた。なのにその世界を楽しむこともなく去...