3話
「また具合が悪いの？」映画を見ている間、フェイスが私にうるさく言った。今日4回目のトイレ駆け込みで、私はもう疲れ切っていた。
この症状はもう3ヶ月も続いていて、体は限界に近づいていた。でも、これはたぶん自分が働きすぎているせいだろうと思っていた。
「心配しないで、大したことないから！」と叫び返し、口の中の不快な味を取り除こうとうがい薬でゆすいだ。何が起ころうと、死にそうになっていても、今月の家賃を払えるよう何でもしなければならなかった。病気になる選択肢はなかった。
みんな頼れる家族がいるけれど、私にはいなかった。いつものように、一人ぼっちだった。もちろん、フェイスやルナにお金を借りることはできたし、彼女たちは喜んでくれるとわかっていた。でも、それが恥ずかしかった。もう自分のことは自分でできる年齢なのに、できていなかった。
「チートスをパンに乗せて食べるなって言ったでしょ。あなたいつも一番気持ち悪いものを食べるんだから」フェイスは文句を言いながら、バスルームに向かってきた。私は急いでうがい薬を片付け、平気なふりをした。「気持ち悪くないわ、コロンビア料理のチャンネルで見たの、安全よ！」
フェイスは鼻にしわを寄せ、不承認の表情で頭を振った。「ねえ、あなたがスペイン語を学びたいとか、自分の文化を知りたいのはわかるけど、彼らが言ってることが実際にわかるようになるまでレシピはやめておいた方がいいんじゃない？」
「わかったわ、今度はルナに聞くわ」私はうんざりさせないようにふくれっ面をして、ベッドルームに戻って映画を続けた。映画が終わってフェイスが帰った後、またトイレに駆け込んで吐き気を催した。私らしく症状をネットで調べたけど、あらゆる病気が出てきたので、すぐに検索をやめた。
次の日、昨日よりもっと気分が悪かったけれど、一日も休まないと決意して仕事に行った。気分を良くするためにできることは全部試したけれど、何も効果がなかった。毎晩のように鏡を見て、自分の体を確認した。普段着ている服は体にフィットするはずなのに、今日はそうではなかった。
「ルナ、私太った？」と口紅を塗っている彼女に尋ねた。彼女は手を止めて、私の方を向き、お腹をじっくり見てから肩をすくめた。「ううん、でも少し体重が増えたみたいね。でも似合ってるわよ」
ルナは自分の言葉が与える影響を知らずに、また化粧に戻った。でも私のお腹はひっくり返るような感じだった。こんなはずじゃない。体型を維持するために厳しい食事制限をしていたのに、なぜ体重が増えたのか理由がなかった。
「ねえ、ただ太っただけよ。妊娠したわけじゃないから、大げさに反応しないで」ルナは笑いながら更衣室を出て行き、私を置いていった。足が弱くなり、床に倒れ込み、両手で頭を抱えた。こんなことあり得ない。
こんなことあり得ない...
でも私が経験している症状を説明できるものは他になかった。体重が増えたことや、一日に何度も吐くことを説明できる理由は他になかった。妊娠している以外に理由はなかった。
いいえセレナ、大げさに考えないで、あなたは妊娠していないわ。
床から立ち上がり、もう一度鏡を見た。でも、どんなに自分に言い聞かせようとしても無理だった。私が示していた兆候はすべて妊娠に向かっていた。頬に何か濡れたものを感じて初めて、自分が泣いていることに気づいた。
どんなことがあっても、妊娠するわけにはいかなかった。父親になり得る人は一人だけ。その人は、私に一瞥もくれず、私のそばを通り過ぎるたびに、まるで私たちの間に何も起こらなかったかのように振る舞う男、クリスチャンだった。
もし彼が私が妊娠していると知ったら何と言うだろう？きっと中絶するように言うだろう。そう、間違いなく。彼にはまだ人生があり、取るに足らない女の子の赤ちゃんで台無しにはできないのだから、他に何を言うだろうか。
足音が聞こえた瞬間、急いで涙を拭き、笑顔を作ろうとした。「セレナ、あなた—」
振り向くと、フェイスが混乱した表情で立っていた。残念ながら、彼女はいつものように私の心を見透かしていた。
「泣いてるの？」と彼女は尋ねたが、私はすぐに頭を振り、彼女の手を取った。「泣いてないわ、目に何か入っただけ。行きましょう」
私たちは腕を組んで更衣室を出た。くだらない会話に夢中で、誰かにぶつかりそうになっていることに気づかなかった。石のように硬い体にぶつかってしまい、すぐに顔を上げると、クリスチャンの無表情な顔と目が合った。すぐに謝った。「ごめんなさい」
彼が次に何を言うか、こっそり期待して心臓がドキドキしていたけれど、彼は横に一歩動いて、私を完全に無視して歩き続けた。もし私が妊娠しているかもしれないと彼に言ったら、同じように無視するだろうか？
「あぁ、彼ってすごくカッコいいのに同時にすごく失礼ね」フェイスは彼を賞賛し、もう一度振り返った。私は彼女の腕を引っ張ろうとした。この夜ができるだけ早く終わることだけを願っていた。クリスチャン、つまり避けようとしていたまさにその人にぶつかってしまい、すでに最悪のスタートを切っていた。普段ならクラブで彼を見かけることはないのに、もちろん彼に会う可能性があるすべての時間の中で、今でなければならなかった。
いつものように、クラブは楽しみに来た人々からエンターテイメントを求めるビジネスマンまでで賑わっていた。通常、お金を持っているのはそういったビジネスマンたちなので、VIPセクションに行くのだけれど、今日は気分が乗らず、普通のお客さんたちと交わっていた。
正直なところ、踊ってお金のために自分を解放することは最悪の仕事ではなかったけれど、唯一の欠点は偏見だった。人々が私の仕事を聞いたとき、彼らが予想していなかった答えだったので、私が受ける視線。恥ずかしがり屋で静かな女の子が、お金を稼ぐためにクラブでストリップをしている。一瞬、自分がしていることを止めて、お腹を見下ろした。音楽や光をすべて遮断し、頭の中にただ一つの考えが浮かんだ。明らかに妊娠していて、否定することはできなかった。でも、ここにいる私は無責任だった。これは私がすべき最後のことなのに。でも、誰も私の請求書を払ってくれるわけではなく、お金が必要だった。私のような人間がどうやって妊娠するのだろう？なぜワンナイトスタンドなんてしたのだろう？
「お前、数ヶ月前からずっと具合悪そうだな。家に帰って休むか、医者に行けよ」いつものように私のチップを集めるために私の周りをついてくる同じ男が言った。フランキーは全体的に良い人だったけれど、非常に大胆で、否定できない真実を言うことを恐れなかった。私が早く帰れば、彼も夜が終わるということになるので、おそらく二人にとって有利だっただろう。
壁の大きな時計を見ると、すでに真夜中を過ぎていた。フランキーを見て、うなずいた。今日はもう十分だったし、目標額にも達していただろう。フランキーの肩を叩いて感謝し、誰にも見られないように急いで更衣室に向かった。
「リス、もう帰るのか？」声が叫ぶのを聞き、足を止めて目を閉じた。他の二人のランベルティ兄弟にはない陽気な口調から、それがエンツォだと思った。二つの選択肢があった。一つ目は更衣室に入ってボスを無視すること、もう一つは振り返ってこの状態で彼に向き合うことだった。でも、一つ目の選択肢は論外だった。必要なお金を考えると、ボスを避けることは最後にすべきことだった。
「あ、ども」ぎこちなく挨拶し、振り返って彼に向き合った。エンツォの目は一瞬大きくなり、おそらく体温を確認するために私の額に手を当てた。
「リス...お前、いろんなクソが混ざったみたいな顔してるぞ」と彼はコメントした。エンツォはいつも言葉の使い方が面白く、私の基本的な脳にとって単純すぎるか複雑すぎるかのどちらかだった。そのため、私は眉をひそめ、いつものように彼の説明を待った。
「変な顔してるぞ、少し寝たらどうだ」と彼は言葉を翻訳した。私は悲しい表情を隠しきれず、彼は寒さと着ている服の少なさで震える私の体を見て、哀れみの表情を浮かべた。
「イアン、こっちを見てみろ。もし父さんの後を継ぐつもりなら、従業員をもっとよく扱わなきゃならないぞ！」エンツォは私の後ろにいる人に叫んだ。今日二度目に避けようとしていた人と鉢合わせするとわかっていたら、お金を置いて仕事に行かなかっただろう。