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260話

「お父さん、全然食べてないじゃない」

父は私を見上げた後、再びノートパソコンに向かって頭を垂れた。停職処分は彼にとって最悪の事態で、私にとっても何の得にもならなかった。

麻薬カルテルを追い詰めることに取り憑かれた男と家に閉じ込められるなんて、喜べることじゃない。この男が自分の主張を証明するためだけに家族全員を危険にさらそうとしていること、そして弟までこの話に引きずり込んだことが、今でも信じられなかった。

かわいそうなアレックスは自分の人生を歩めず、父のバカげた考えに付き合っている。彼の元妻が耐えられなくなって離婚したのも不思議じゃない。

彼は父と同じように仕事にしか集中せず、2歳の娘の...