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16話

「はい、ご協力ありがとうございます。良い一日を」と同じ言葉を繰り返して、電話を切った。

クラブを辞めた後、数ヶ月分の請求書を払うだけの余裕はあったけれど、新しい仕事をすぐに見つけなければならないことも分かっていた。残っているお金は貯金で、赤ちゃんが生まれた後に新しい仕事を見つけるまでの間、赤ちゃんとデイケアのために使うつもりだった。

大学中退者として適切な仕事を見つけることは予想通り難しく、うまくいっていなかった。面接のたびに同じ言葉を聞かされた。十分な教育を受けていないと。

赤ちゃんを養子に出すことが魅力的に聞こえる時もあったが、その痛みに耐えられないことも分かっていた。でも、このまま...