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220話

フィオナ

メールの下書き画面に「親愛なるコンラッドへ」と入力した。

そして、しばらくの間、画面上で点滅するカーソルをじっと見つめていた。

ようやく元上司からのメールに返信することができたけれど、実際にメッセージを書き出すのは難しかった。

アレクサンダーは私と昼食を取っている最中にコンラッドから電話を受けた。会社の弁護士との緊急会議が必要な状況が発生したらしく、コンラッドはアレックスに参加してくれるよう頼んだのだ。彼はもちろんすぐに都市へ向かい、日没までには宮殿に戻ると約束した。

それで私はまたコンラッドのことを考え始め、彼が私に送ってきたメールのことも。

もうこれ以上、それが頭上に漂ってい...