「キャット、怖がらないで。ただ君を慰めたいんだ。悪夢から守るために、眠るまで抱きしめていさせて」トレイは彼女の恐れを感じ胸が痛んだが、彼女を腕の中で安心させようと決意を固めていた。彼女は運命の相手なのだ。もう二度と誰にも傷つけさせない。

「今夜だけよ、トレイ。それ以上は許せない」キャットの声は震えていたが、彼の体の温もりが心地よすぎて、拒絶する気にはなれなかった。

「キャット、今まで誰かに抱きしめられたり、愛情を示されたことはないのか？」

「ええ、二十年近くないわ」

キャットは看護師として働く人間の女性。過去の因縁から、復讐を企む者に追われている。トレイは彼女の警護を任された刑事だが、実は獅子の人狼で、彼女は運命の相手だった。

トレイは、彼女を傷つけようとする者から大切な運命の相手を守り抜けるのか。

そして、痛みしか知らないキャットは、彼の愛を受け入れる心を開くことができるのか。


ワーライオンシリーズ

キャットとトレイはプールハウスに着くと、さっと体を洗って寝た。カレブに誘拐されてから数週間経っていたが、彼女はまだトレイとシャワーを浴びたり、セックスをしたりする準備ができていなかった。彼女は眠るときに彼とアトラスを必要としていたが、キスやハグ以外の触れ合いはほとんど耐えられなかった。
トレイはキャットの様子を見ながら、うっかり彼女に不快な触れ方をしないよう気をつけていた。彼女がここまで回復してきたのに、後退させるようなことは絶対に避けたかった。二人がベッドに入ると、トレイは仰向けになり、キャットは彼の胸に頭を置いてアトラスの喉を鳴らす音を聞いていた。
二人が眠ってから数時間後、トレイはキ...

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