「キャット、怖がらないで。ただ君を慰めたいんだ。悪夢から守るために、眠るまで抱きしめていさせて」トレイは彼女の恐れを感じ胸が痛んだが、彼女を腕の中で安心させようと決意を固めていた。彼女は運命の相手なのだ。もう二度と誰にも傷つけさせない。

「今夜だけよ、トレイ。それ以上は許せない」キャットの声は震えていたが、彼の体の温もりが心地よすぎて、拒絶する気にはなれなかった。

「キャット、今まで誰かに抱きしめられたり、愛情を示されたことはないのか？」

「ええ、二十年近くないわ」

キャットは看護師として働く人間の女性。過去の因縁から、復讐を企む者に追われている。トレイは彼女の警護を任された刑事だが、実は獅子の人狼で、彼女は運命の相手だった。

トレイは、彼女を傷つけようとする者から大切な運命の相手を守り抜けるのか。

そして、痛みしか知らないキャットは、彼の愛を受け入れる心を開くことができるのか。


ワーライオンシリーズ

**カリフォルニア州サンディエゴ**
ジャッキーは呪文に目を通し、それから手持ちの品々を確認した。ほとんどのものは揃っている。最後に必要な幾つかの品は手に入れるのが最も困難だろうが、必ず見つけられると彼女は確信していた。童貞の男の血、バイソンの心臓、そしてガラガラヘビの目玉が必要だった。これまで多くの呪文をこなしてきたが、今回のは彼女が最も望むものを与えてくれる初めての呪文だった。アツィの書と、サタンとのデートの両方だ。
コンドミニアムで座り込んでいても必要なものは見つからないので、彼女は出かける準備を整えた。ジャッキーはまず最も簡単なものから手に入れることにした。短い呪文を唱えると、彼女...

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BK 5-第15章-トリック