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54話

ーエモリーー

決断すべき時が来た。私はローガンに指を一本立てて、まだ断るわけでも承諾するわけでもないことを示しながら、唇を噛む。もしもローガンとこのベッドに飛び込めば、それは番の絆とそれに伴うすべてを受け入れることになる。彼の世界に一緒に飛び込むことになる。今までは、まだ裏口があるような気がしていた。自分のアパートに戻ることも、仕事を探し始めることも、ローガンを狼の姿で家に入れる前の気持ちに戻ることもできた。それがある意味、事態を簡単にも難しくもしている。

ローガンと実際に別れたら、生き延びられないかもしれない。生きたいなら、彼と一緒にいるべきだ。でも、単なる生存のためだけに一緒にいるより...