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第771話勇気を呼ぶセラフィナ

「セシリア」と、セラフィナが心配そうに呼びかけた。「私、本気でアラリックを殺してやりたいわ」

「大丈夫よ、本当に平気。そんなに落ち込んでないわ。もっとひどいことも経験してきたし、慣れてるから」セシリアは穏やかに言った。

「もっとひどいことって……？」セラフィナはさらに胸が締め付けられる思いだった。

どうしてセシリアはこんなに辛い人生を歩んできたのだろう？

そうなのだ。

彼女の前世は、今世よりもっとひどいものだった。

今では、少なくとも自分は死んでいないし、セオドアとジュヌヴィエーヴも死んではいないのだからと、良い心持ちで自分を慰めることさえできた。

「冗談よ」セシリアは無理に微笑...