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第762話ダシールとセシリアの出会い

ダシールにも、マグノリアが参っているのが伝わってきた。

セラフィナがどんな状態にあるかは、想像に難くない。

セラフィナにしてみれば、今はもう全てを失った気分だろう。

そして、ただ泣くことしかできないと感じているかもしれない。

「セシリアにセラフィナの面倒を見てくれって頼まれなかったら、あんな子、放っておくわ」マグノリアは棘のある言い方をした。

もちろん、ダシールはマグノリアが本心から言っているわけではないと分かっていた。

マグノリアは確かにセラフィナを好いてはいない。だが、こんな状況で彼女が何もしないでいられるはずもなかった。

彼は尋ねた。「アティカスの容体は、かなり悪いのか?」...