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第741話セバスチャンの陰湿さ

ダシールはうかつな動きは見せなかった。

彼はセラフィナのおおよその居場所を特定すると、車の中で交通カメラの目を気にしつつ待機した。

昼頃。

ようやくクリオの姿を再び目にした。

彼女は一人で建物から出てきたが、明らかに警戒していた。

周囲を見回し、異常がないことを確認すると、その場を離れた。

クリオが去るとすぐに。

ダシールは車を降りた。

カメラの目を避けながら待機している間に、彼は周囲の状況も徹底的に観察し、セラフィナ誘拐に関与しているのはセバスチャンとクリオのみで、他に共犯者はいないと確信した。

この事実を突き止めたことで。

ダシールの救出作戦は自ずと容易になった。

彼...