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第658話パワフルダシエル

ダシエルは軽く頷いた。

怖気付いていたわけではなく、ただ考えをまとめる時間が必要だっただけだ。

彼は立ち上がり、重役会議室へと歩いていった。

すでに他の役員たちが次々と入室してきていた。

ダシエルが現れるとすぐに、全員の視線が彼に注がれた。

セラフィーナの視線も。

彼女には、なぜこれほど多くの人々がダシエルの総支配人就任に反対しているのか理解できなかった。

昨日、彼女はセバスチャンにニュース報道を取り下げさせたが、今日はさらに大きな騒ぎになっていた。

朝一番でセバスチャンに会いに行くと、彼は自分のしたことではないと誓った。

もちろん彼女は信じていた。ただ確認が必要だっただけだ...