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第654話心痛

セラフィーナは全身に緊張が走るのを感じた。彼女が感じられたのはダシールの強い息と、アルコールの匂いが混ざったものだけだった。

この状態のダシールに少し怖さを感じたが、彼女は彼を押しのけなかった。

セラフィーナは目を見開いて、間近にあるダシールの顔を見つめていた。

彼が素晴らしい肌の持ち主だということは常に知っていた——女の子たちが羨むような肌だった。

こんなに近い距離では、ダシールの顔には本当に一つも毛穴が見えなかったが、長く巻き上がったまつげを持っていた。

セラフィーナの心臓は激しく鼓動していた。

理性的には、ダシールを押しのけるべきだと分かっていた。

彼らはこんな風であっては...