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636話

車の中で、セシリアとアラリックは後部座席でくつろいでいた。

アラリックはセシリアの手を命がけでつかんでいた。

車はカタツムリのようなペースでゆっくりと進んでいた。

最初、アウグストゥスは普通に運転していた。

しかしアラリックが何度も停車させるので、

今ではほとんど前に進まないほどの速度で通りを走っていた。

セシリアはこの調子では日が暮れてから家に着くだろうと思った。

アラリックはここまでやる必要があるのだろうか？

セシリアは思わず言った。「仕事に戻りたい」

「絶対ダメだ」アラリックは即座に返した。

セシリアはため息をついた。「アラリック、私は妊娠しているだけで、死にかけてい...