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612話

セシリアはフランシスの手にあるブレスレットを見つめ、少し困惑していた。

それはとても価値のあるもので、彼女はどう受け取ればいいのかわからなかった。

アラリックからのものなら問題なかっただろう。

でもフランシスから?本当に受け取っていいのだろうか?

「地味すぎると思う?」フランシスは少し傷ついた様子だった。

「いいえ、ただ…あまりにも貴重すぎて。つまり、これはホイテカー夫人が亡くなる前のものだし、私は…」セシリアは迷っていた。断り方もわからなかったし、断るべきかどうかも分からなかったが、確かに感動していた。

前世でドミニクと結婚していた時、彼女はキングズリー家から温かさを感じることは...