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611話

「私が生まれた時、アラリックが最初に私を抱いたと言われています。両親は彼に、たとえ自分が先に死ぬことになっても、一生涯守り続けなければならない相手が私だと告げました」とフランシスは言った。彼の顔に感情の片鱗が浮かんだように見えたが、それは単なる錯覚かもしれなかった。「でも、なぜアラリックがこれほどの苦労を背負わなければならなかったのか？なぜ彼は生まれた時から見捨てられたのか？論理的に考えれば、どんな時代でもアラリックこそが後継者であるべきだった。王国を治める能力を持つ者だった。しかし、ホワイテイカー王家の宿命のために、彼は私の生贄の子羊となってしまった」

セシリアは黙って聞いていた。

彼女...