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503話

セラフィナはセバスチャンが予約したレストランに向かった。

彼女の心の中では、セバスチャンはいつも特にロマンチックなタイプではなかった。

しかし今夜、彼は思い切り奮発して、高級レストラン全体を貸し切り、キャンドルライトディナーを用意していた。

二人はテーブルを挟んで向かい合って座った。

セラフィナは美しい笑顔を見せて言った。「プレゼントは用意できなかったわ」

セバスチャンは笑顔で返した。「君がここにいてくれるだけで最高の贈り物だよ。長い間、僕は一人で誕生日を祝ってきた。ケーキを分け合い、ろうそくを一緒に消してくれる誰かがいることが、僕の唯一の願いだったんだ」

セラフィナの心に痛みが走...