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466話

ダシールは電話を切った後、オフィスでただ座り込み、虚空を見つめていた。

セシリアの言葉がまだ耳に響いていた。

もしセバスチャンを手放せば、それは彼とセラフィナにとって勝利となるだろう。

もしそうしなければ、セバスチャンとエバーハート家の間で非常に醜い事態になるだろう。

しかし彼は、セラフィナがどちら側を選ぶのか見当もつかなかった。

彼はタバコを取り出し、椅子から立ち上がった。

もう杖は必要なかった。

左足はなんとか彼を支えられるようになっていたが、まだ少し足を引きずっていた。

大きな窓のそばに立ち、ダシールはタバコを吸いながら、どこか迷子のような表情をしていた。

結局、彼は諦...