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38話

セシリアは一言も発せずにソファから立ち上がり、ソファでやや眠そうにしているドミニクに一瞥をくれて、歩き去った。

まだ興奮状態にあったセラフィナは、セシリアのよろめく足取りに気づき、急いで彼女の後を追って外に出た。

「セシリア」セラフィナは彼女に声をかけた。

セシリアは不快感を抑えながら足を止めた。セラフィナはすぐに彼女を支えに行き、「具合が悪いの?」

「ちょっとね。トイレに連れて行って」

「わかった」セラフィナはセシリアを助け、彼女を導きながら言った。「お酒は飲まない方がいいかもね。一口飲んだだけで、こんなに酔っぱらってしまうんだから」

セシリアはもうセラフィナと冗談を言い合う元気もなかった。...