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374話

セシリアはまだ「はい」とも言っていなかったのに、アラリックは既に彼女の手を取り、自分の腰に置いていた。

筋肉で満たされた強い腰。

「ホイテカー夫人は今、何か悪い考えをしているんじゃないかな」とアラリックは笑った。

セシリアの顔が真っ赤になり、「そんなことないわ」と言い返した。

アラリックはただニヤリと笑った。「油が跳ねてきたら、僕の後ろに隠れていいよ」

セシリアは心の中が温かく、ふわふわした気持ちになった。

まるで、何があってもアラリックはいつも彼女を守ってくれるような感じがした。

それが彼女をとても安心させた。

その瞬間、セシリアは思わずアラリックにもっと寄り添った。

彼女...