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283話

セラフィナはまずシオドアとジュヌヴィエーヴに挨拶してから、ダシールを広間内で車椅子で押して回った。

彼女はペストリーコーナーで立ち止まった。

「何か欲しいものある?」セラフィナはペストリーを選びながらダシールに尋ねた。

彼女はダシールに親切にしようとしていたわけではなかった。

ただ、他の人に彼を虐待していると言われたくなかっただけだ。

結局のところ、ダシールは車椅子に乗っていて、ペストリーのビュッフェに簡単に手が届かなかった。

「クリームでいいよ」とダシールは言った。

セラフィナは尋ねた。「チョコレートはどう?」

「いや、チョコレートは苦手だ。苦すぎる」とダシールは説明した。

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