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18話

高級個室で。

セシリアは静かにアラリックを見つめて言った。「怖いの?」

アラリックは唖然とした。

「私があなたを騙しているんじゃないかって怖いの?」セシリアは問いかけるような口調で尋ねたが、その声音は断言するようだった。

「ロックハートさん、自分を買いかぶりすぎですよ」アラリックは一蹴した。

「じゃあ、なぜ私を信用しないの?」

「あなたに信用に値するものがあると思いますか?」アラリックは問いただした。

確かに。

この瞬間、彼女には彼の信頼に値するものは何もないように思えた。

彼女は言った。「あなたはドミニクが最低な男だと知っているでしょう」

アラリックは唇を引き締め、明らか...