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511話

モードはヴィヴィアンの鼻先に指を突きつけ、唸るように言った。「あなたとレイモンドがアボット家の一員になれるとでも思ってるの？夢見てなさい。私がいる限り、あなたたちが認められることは絶対にないわ。それなのに私たちと手を組みたいだって？笑わせないで」

その瞬間、モードはいつもの上品な淑女とはかけ離れ、まるで狂乱した人のように見えた。

ヴィヴィアンは一瞬の躊躇もなく反撃した。「あら、そう？私の夫が健康でなくて、あの小さな事故で亡くなったのは残念だわ。そうでなければ、彼はアボット家に戻って、自分の取り分を主張していたでしょうね」

「嘘よ。私の夫が亡くなった後、すべては息子に行ったのよ。あなたじゃ...