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103話

フレイヤの視点

私たちの軍は集結し、もう1時間ほど戦場へ向けて行軍している。私はルイジアナで一生を過ごしてきたが、それでも特定の場所での地形の危険さをつい忘れてしまう。夜になると正体不明の生き物から背筋がゾクゾクするような音が聞こえてくるものだが、今夜は不気味なほど静かだ。今朝目覚めたとき、今夜やらなければならないことに不安と緊張を感じていた。まさか自分が戦わなければならない戦争があるなんて、ましてや私と私のつがいが反対側に立つなんて、百万年経っても思いもしなかっただろう。私には彼と戦う強さはないが、彼を足止めするだけの強さはある。私たちの間のつがいの絆こそ、私が頼りにする切り札だ。彼を傷つ...