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97話

「それは男だけが君に見せることができる。」

「何をしているの?」私はどもりながら、周りの彼のオーラの変化を見つめた。彼の伏し目がちな目が私の顔中を見回すのを見たとき、喉の奥に大きな塊ができ、お腹に何かを感じた。彼が私の顔を包み込むと、肌に痺れを感じた。こんな状況になるのは初めてではないけれど、いつもは思いやりがあり愛情深いアゼルだったのに、今日は違って感じた。その違いが私のお腹の中で何かをひっくり返した。

「結婚してからずっとやりたかったことだよ」彼はかすれた声で言いながら、鼻を私の鼻にぶつけた。私は目を閉じ、喉の奥でどんどん厚くなる塊を飲み込もうとした。彼は指の甲で私の腕をなぞり、その触...