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チャプター 209

今夜、あの人には指一本触れさせない。

私がそこに立ち尽くしていると、彼の瞳が呆然とした状態から抜け出すのに数分かかった。その視線が、ゆっくりと私の全身を舐めるように動く。私が着ていたのは、赤いレースのツーピースのネグリジェ。丈はお尻のすぐ下までしかなく、少し屈めばお尻が丸見えになるだろう。胸元のネット生地は乳首を辛うじて隠しているだけで、残りは想像に任せるデザイン。深いVネックは胸の谷間を惜しげもなく晒していた。網目状のローブは肩から腕へとだらしなく掛かり、私の素肌が彼の目にさらされている。彼の視線が私の胸のほくろに落ちたとき、ごくりと喉を鳴らすのが見えた。ここが彼の弱点だって、私は知っている...