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185話

「なんで急に暗くなったの?なんでいきなり明かりが消えたの?」私は少しパニックになって尋ねた。完全な暗闇が怖かった。私の目は知らず知らずのうちに、暗闇の中でアゼルを探していた。

「心配しないで、何かの不具合よ。ここではめったにないことだから、すぐに明かりは戻るわ」サレナは私の不安を感じ取ったのか、私を落ち着かせようとした。彼女はテーブルの上に置いていた私の手をつかみ、しっかりと握った。彼女には見えないとわかっていても、私は頷いた。彼女を信じることにした。

突然、ハッピーバースデーの歌が流れ始め、キャンドルの灯った大きなケーキが私たちの方へ運ばれてきた。ケーキを見て私の目は大きく見開かれ、そし...