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154話

「私の救世主に感謝します」

私は彼女に全体重をかけると言った。一瞬、魂が体から抜け出るような感覚があった。とても怖かった。もし彼女が私たちの秘密を知ったら?様々な考えが頭をよぎったが、私は毅然とした表情を保ち、仮面を崩さなかった。エラはくすくす笑い、私たちは二人でテントへ向かって歩き始めた。

「私に感謝しないで。あなたの夫に感謝してね」と彼女はテントの中に入ってから言った。私は眉をひそめ、困惑した表情で彼女を見た。そしてすぐに理解した。

「ああそうね、彼も最後の瞬間に現れて助けてくれたわ」と私は笑顔で言った。私の輝く鎧の騎士として現れてくれた神に感謝した。

「それだけじゃないわ。彼はス...