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36話

カイラン

「ああ、カイラン、そう、そのまま」クリスタルは息を切らしながら喘ぎ、一突きごとに彼女の声は息も絶え絶えだった。

私は顎を引き締め、片手で彼女の髪をつかみながら後ろから激しく腰を打ち付けた。彼女の声は鼬陶しく、彼女の口から私の名前が漏れるとさらに腹が立った。

ヴァイオレットが私の名前を呼ぶときだけ、何かを感じるのだ。あの夜、彼女の唇から名前が漏れたとき、私は彼女をどうしても欲しかった—その場で彼女を抱きたいという衝動をすべて押し殺したのだ。

くそっ!

なぜこんな瞬間に彼女のことを考えているんだ。

歯を食いしばり、集中しようとした。彼女のことを忘れようとするたびに、彼女はどう...