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第二十六章

ごくりと唾を飲み込んだ。俺だって馬鹿じゃない。カエリスが妃殿下に許可を求めていなかったことくらい分かっていた。だが、妃殿下には同情せずにはいられなかった。あの宮殿で、彼女は囚われているように感じているに違いない。そう思うのも無理はなかった。俺自身、リペリアから逃げ出したことがある。しかも、彼女たちのように囚われていたわけでもないのに。俺の姉妹たち。

カエリスは賢く、強く、壁に閉じ込められるような人生を送るべきじゃない。彼女には空気が必要だ。空間が、自分の力で呼吸する機会が必要なのだ。

キオラは聡明で、同じくらい強く、その年齢にしてはとても賢い。

もしも王妃が、ほんの少しの自由が彼女たちを本来...