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チャプター 251

ヴァイオレット

カイランが私の手を握り、私たちは山の麓へと向かっていた。あまりにも朝が早かったし、昨夜ヴェールであの『何か』が私に向かって走ってきた後では、ちゃんと眠れるかどうかも分からなかった。だけど、カイランの腕の中で眠りに落ち、バルコニーで夜を明かしたおかげで、体はすっかり休まっていた。ジャンピーはいつものように気持ちよさそうにカイランの肩に丸まって座っている。

後ろからは、ネイト、トリニティ、リアン、そしてソラの規則正しい足音が聞こえてくる。でも、荷車から荷車へと移される物資に気を取られていて、彼らが何を話しているのかはよく聞こえなかった。

私はあたりを見回し、その光景を眺め...