ライカン王子の子犬

24話

バイオレット

私はキランの部屋のドア近くで気まずそうに立ち、辺りを見回した。逃げ出したくても、もう手遅れだった。

彼の机の上にある大きな時計は、門限を過ぎてすでに15分が経過していることを示していた。つまり、それだけの時間、私はここに立っていたということだ。

15分間。

キランは、門限後に私が彼の部屋にいることが世界で最も当たり前のことであるかのように、自分の生活を続けていた。驚くことではない。彼の評判は聞いていたし、門限後にここに来た女の子が多くいたことは確かだった。

彼はシャツを脱ぎ、空の水ボトルを片付け、シャワーを浴びた。

すべてその15分の間に。

「足が折れてるのか？」彼...