ライカン王子の子犬

第二十七章

ヴァイオレット

ヴァリウスの後ろについていきながら、私はケイデンから目を離さなかった。今回は彼が自分で車椅子を操作していて、珍しく前を向いていた。彼の顔ははっきりと見えなかったが、ヴァリウスの背中を見つめるその口元には、いつもの不敵な笑みが浮かんでいた。

あんなふうに、あの老人に向かって嬉しそうに微笑むなんて。彼にとって、よほど大切な存在なのだろう。

それは結構なことだ。でも私の頭を占めていたのは、ケイデンがどうして私が『血の子』だと知っていたのか、それなのに私の目が光ったのを見て初めて何かに気づいたかのような、ふてぶてしい態度をとったことだった。

あれは一体何だったのだろう？

私は少し歩...