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第二十三章

カイラン

目の前の木のテーブルには、乾燥ハーブや新鮮な葉が盛られたボウル、そして俺が生まれてこの方一度も聞いたことのないようなものばかりが入った小さな瓶が並んでいた。

ここに来てからしばらく経つが、一秒ごとに部屋の匂いが強くなり、鼻がどんどんムズムズしてくる。

匂いはまるで……

「沼地だな」隣でネイトがささやき、俺の考えを言い当てた。「ちょっと沼地みたいな匂いがしないか? 信じられないな、俺たちがリペリアにいるなんて」

ネイトは何気ないそぶりで鼻を手で覆っている。礼儀を保とうとしながらも、必死に耐えているのが見て取れた。俺たち二人は礼儀正しくあろうと努めていたが、心根はどこまでもリペリア人...