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チャプター 21

カイラン

市内へ向かう車内は、まだ十分も経っていないというのに、何時間も引きずられているかのように感じられた。

ネイトがすでに手配を済ませていた。ハーブティー体験とやらに、文化センターでの木彫り教室。どちらも部外者に人気らしいが、俺に言わせれば最悪の組み合わせだ。だが、これは俺のためのものではない。

アルファ・ファーガスとディランは、俺とネイトの向かい側に座っていた。車内はこれ以上ないほど静かだったが、ファーガスは一言も発していないにもかかわらず、その存在だけで車内は重い何かに満たされ、これからが楽な道のりでないことを物語っていた。

今頃ヴァイオレットはもっとマシな時間を過ごしている...