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チャプター 196

ヴァイオレット

心臓が跳ねた。何と言っていいか分からなかった。私が気づいていると知られた今、女王様は不公平だ、真実と向き合うより楽だから何もかもカイランのせいにするのだと、そう伝えるべきなのだろうか?

そもそも私にそんなことを言う権利があるのだろうか?

「カイランがあなたに話したとは、驚きましたわ」

セシリア様は周りを見渡し、誰にも聞かれていないか確かめた。私はか細い笑い声を漏らす。「ええ……彼に選択肢はなかったですから」

彼女の顔に、わずかに訝しむような眉間のしわが寄った。事実、彼に選択肢はなかった。エリートチームの挑戦の最中、彼は私たちに真実を告げた。それも、そうせざるを得なかっ...