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チャプター 186

カイラン

食堂を出た後、もう一つやることがあった――もう一人、訪ねなければならない人物がいた。

カリアだ。

俺の前でヴァイオレットを『ウルフィ』と呼んだことが、どうにも気に食わなかった。

俺は有言実行の男だ。ヴァイオレットにつけたあのくだらないあだ名の件で、彼女にはきっちり落とし前をつけると言った。それは本気だ。もう二度と誰も彼女をウルフィなどとは呼ばせない。

パピーにあだ名をつけられるのは、俺だけだ。

足取りは確かだった。モナ様の棟としても知られる東翼を進んでいく。国王はえこひいきはしないと誓言してはいたが、彼女とその子供たちは、王妃とその子供たちに匹敵するとまではいかないまでも、宮殿の...