Read with BonusRead with Bonus

チャプター 182

「ヴァイオレット」

女王と並んで宮殿の廊下を歩くなんて、最初の一時間以内に経験するとは思ってもみなかったけれど、今まさにそうしていた。

いつものように、考えすぎないようにしていたけれど、無駄だった。頭の中はすでにフル回転していた。

王様はカイランに何を望んでいるの?

これは私たちを引き離すための共同作戦?

なぜ女王は私に優しくしているの?

どこへ連れて行くつもり?

宮殿に入ってから女王は一言も発していなかった。廊下に響くのは、大理石の床を叩く彼女のヒールの柔らかな音だけ。女王について色々言っていたにもかかわらず、カイランは私を彼女と行かせた。

抵抗もなく、二の足も踏まなかった...