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第172章

カイラン

「だって……」俺は彼女を見て、即座に後悔した。

彼女の体にぴったりとフィットしたドレスは、短く、黒く、完璧だった。胸元は俺の集中力をかき乱すのに十分なほど低く開いていて、しかも彼女が腕を組んでいたせいで、俺が一晩中キスする栄誉にあずかったあの胸が、こんな場所で考えるべきじゃないことをつい考えてしまうような具合に押し上げられていたんだ。

クソッ……

ただ彼女を肩に担ぎ上げ、自分の部屋に連れ込み、どれほど俺が気にかけているか、はっきりと思い知らせてやりたかった。俺だけが気にかけているのだということを。

「もしもーし?」パピーが歌うように言いながら、一歩近づいてきた。「で?」

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