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第十五章

「バイオレット」

私は汗が額から滴り落ちそうになりながら、マットに視線を落としてもう一回腕立て伏せをした。誰も想像しないだろうけど、ジョーン司令官はいつものように手を叩きながら訓練ホールを走り回り、大声で叫んでいた。

不思議なことに、今日はみんなについていけるくらいになっていた。ほぼね!

昨日の疲れと痛みがなければ、きっと全力を出せたはず。腕がゼリーのようになっているのが最悪で、さらに彼の叫び声で頭が集中できなくなっていた。

アデレードならきっと頑張り抜いただろうけど、私がヴェールにいた時、昔のエリートチームがこんな訓練をしているのを見たことがないのも確かだった。過去の訓練日は間違いな...