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56話

-ケイレブ-

最初に気づいたのは、ドアがあまり開かないということだった。それが隣にいる警備員の顔をしかめさせた。

次に見たものが私の心臓を早鈍りさせた。ジェイシーだ。私のジェイシーが私のアパートにいた。

床に座っていた。ランジェリーの寝間着姿で、ダクトテープで縛られ、口も塞がれていた。

怒りが腹の底で煮えたぎった。「いったい何だよ、お前ら?誰が彼女をダクトテープで縛って床に放置したんだ?」

警備員たちはただ笑うだけだった。

「ジェイシー、愛しい人、僕を入れて」と私は彼女の目から恐怖を取り除こうと囁いた。

彼女はようやく私だと認識し、目に涙が溢れた。

「ジェイシー、ハニー、ドアか...