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第144章:メークアップ

マッケンジー

「少なくともドレスは汚れなかったじゃない」グウェンドリンはそう言うと、クラッチバッグを開けた。中から現れたのは、どんな時でも対応できる万能お直しキットだった。

その中身に驚いたのか、それともその小さなバッグに全部入ってしまうことに感心したのか、自分でも分からなかった。「すごく気をつけたんだけど」と私は言った。

彼女は片眉を上げ、鏡を指さした。鏡に映る私は、メイクがよれて、髪もピンからほつれ出ていた。「ええ、とってもね」と彼女は真顔で言った。

私は顔を赤らめた。「助かったわ、ありがとう」

「言ったでしょ、私たちはお互い様なんだから。でも、マスターソンさんがチャリティーイベ...