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第131章:五千万

馬鹿な真似をしていないといいが。いや、馬鹿な真似をしている自覚はあった。しかも、考え抜かれたものではなく、危険なことだ。だが、少なくとも、こいつらのせいで俺たちが殺されるようなことにはならないでくれと願った。

マッケンジーは、「一体どういうこと!?」とでも言いたげな顔で俺を見続けていた。彼女を責める気にはなれなかった。俺がヨーロッパの個人銀行に金を隠していたなんて、彼女が知る由もない。

フットボールを奪った祖父に一泡吹かせてやろうと、スペインで新しい人生を始めようと決意した二十代の若かりし頃の自分の傲慢さを思うと、思わず笑いがこみ上げてきた。同時に、五千万ドルもの大金を異国に移し、そのこと...