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815話

その唇に触れる前に、ジョセフの薄い唇を手が遮った。

「いつあなたにキスを借りたのよ?」キャシーは不思議と苛立ちを覚え、ジョセフの厚かましさに頭がおかしくなりそうだった。

「一昨日の夜さ」ジョセフは答え、携帯を取り出してキャシーがその時に送ったキスの絵文字を見せた。

携帯のキスの絵文字を見て、キャシーの可愛い顔も少し赤くなった。最初は彼女はただジョセフをからかいたかっただけだった。衝動的な行動だった。ジョセフがこれまで覚えているとは思わなかった。

「ああ、今思い出したわ、でも...私のキスの絵文字を受け取った後、すぐにメーガンのところに行ったの?」キャシーは微笑みながら尋ねた。

「いい...